
櫻井久明氏は指孝仏具美術工芸工房で自ら手がけるお仏壇の素材として、霊樹「紫檀(したん)」を選びます。それは原産地であるラオスやベトナムなどでは「神の宿る木」として崇められ、霊的な力があると信じられてきた銘木です。古代中国では皇帝の象徴である龍にちなんで「龍血樹(りゅうけつじゅ)」と呼ばれ、珍重されていました。日本でも歴史に名を残す数々の紫檀の木工芸の名品が正倉院に所蔵されています。
紫檀の「檀」とは太くてずっしりした木という意味で、黒檀(こくたん)と並んで樹木のなかでも最も堅く、狂いが少ないとされます。比重は1.2と水よりも重く、緻密で石のように堅いのが特長です。「木は仏さまになる。だからこそ、木にこだわる」。静かに燃える想いを胸に、櫻井氏はこの霊樹に指物で息を吹き込んでいきます。
一つのお仏壇をつくりあげる工程は、実に300以上に及びます。素材を選定することからはじまり、木の伐採、乾燥、製材、さらには木の部位を選択していく木取りや木の幅矧(は)ぎやほぞ留めなどの木造り加工。そして、組み立て、仕上げの漆塗りまで、長いものでは3年以上の歳月を費やします。
材料資源のことを考えると、最低でも200年の歳月に耐えられるものをつくりたい、と語る櫻井氏。そのため、いっさい鉄釘を使わず、ほぞを差し込んで木地を組み上げる「指物」の技術でお仏壇をつくり上げます。鉄は冷たいため、夏場には水分を集めてしまい、それがサビや木材の腐朽につながります。「鉄金具偏重主義が木工文化を滅ぼす」。櫻井氏の持論には、鉄釘を使うよりも数百倍もの強度を保つことができ、永代使用に耐えうる指物技術への絶対の自信がうかがえます。
この江戸神仏指物師三代目指孝の技が集積された正統派の唐木仏壇が「天界」です。造形は古典の制作方式を守りながらも、できるだけ簡素にして時代を超えたデザイン。だからこそごまかしがきかないと、細部まで入念なつくりが施されています。銀杏面、各台輪の四方と戸軸に面取し、全体に端正ながらもやわらかい印象を与えます。こうした微細な美の積み重ねが、お仏壇の品位と格調を高めています。
隅々にまでに匠の技が息づいている逸品です。
黒檀、紫檀、菩提樹など素材そのものの持ち味を引き出し、隅々まで活かしきった重厚な趣のお仏壇を「唐木仏壇」といいます。年を重ねるごとに風合いを増し、独特の表情を醸し出すのが特長です。
はせがわでは、黒檀や紫檀、屋久杉などの最高級木材をはじめ、桑や楡(にれ)、楢(なら)など厳選した素材のお仏壇を数多く扱っています。はせがわが選び抜いた天然木の深い味わいをお届けしております。
名工の唐木仏壇からコンパクトな上置きタイプ、さらにはお求めやすい価格のお仏壇まで、お近くのはせがわのお店をお訪ねください。
江戸指物の技を駆使したはせがわの特選唐木仏壇「天界」について
江戸指物師三代目指孝「櫻井久明」 _ はせがわのお仏壇:指孝仏具美術工芸工房「天界」
